滝行を終えたあとは、増田屋さんへ戻ります。
まずはお風呂に入らせていただき、ゆっくり身体を温めながら、皆さんが戻ってくるのを待ちます。
全員の修行が終わったところで、お楽しみのお昼ごはん。

この日の増田屋さんのお昼は、天ぷらうどんでした。
滝行のあとの身体に、冷たいうどんが気持ちいい。

そして、とうもろこしご飯がまた美味しいんです。
ほんのり甘くて、疲れた身体にしみました。
ところが、お昼をいただいている間も、頭の中はまだ滝行のことでいっぱい。
あの水圧
あの冷たさ
そして、終わったあとの爽快感
やっぱり滝行って、ほかの何かで代用できるものではないな
そんなことをしみじみ考えていました。
実際に身体を使って行ずるからこそ感じられるものがある。
今年も滝に入ることができて、本当によかったです。
食事をしながらおしゃべり時間。
普段なかなかお会いできない姉弟子たちとお話しできるのも、こうした機会の楽しみのひとつ。近況を伺ったり、いろいろなお話をしたり。短い時間ですが、とても貴重な交流の時間です。
増田屋さんでお師匠とお別れし、私たちは身延山久遠寺へ向かいます。

身延山久遠寺へ
増田屋さんにお別れを告げ、再びバスで久遠寺へ向かいます。
バスに乗りながらも総門をくぐるときは合掌して入ります。
三門は本当に素晴らしい。

バスの中ですから見るだけなのがもったいないです。
この奥に菩提梯があります。
駐車場で降りて斜行エレベーターで本堂へ向かいます。

ゆっくり進んでいきますよ〜
ちなみにこちらを利用するときはお賽銭を忘れずに。
久遠寺では、まず本堂へ。

しっかりと全員でお参りをさせていただきました。
そして、今回も楽しみにしていたのが、お堂の天井に描かれた「墨龍」。
見上げるたびに、その迫力に圧倒されます。
何度見ても見事。
この龍、本当に好きなんですよね。
毎年ならロープウェイに乗って思親閣へ向かうのですが、この日は少し気分を変えて、私は境内をのんびり歩くことにしました。
グループから少し離れて、ひとり時間。



蓮を眺めたり、遠くから聞こえてくるご祈祷の声に耳を傾けたり。
滝行のあとの身体と心をゆっくり落ち着かせるような時間になりました。
そして、久遠寺に来たら毎年楽しみにしているものがあります。
おみくじです!

今年も引いてきました!
久遠寺のおみくじは「身延山法華おみくじ」。
日蓮聖人のお言葉が書かれているだけでなく、
「交友」「日常」「事業」「学問」
の中から、自分が知りたいテーマを選ぶことができます。
私は今年も「事業」を選びました。
そして、出てきたお言葉が……今の自分の状況に、まさにぴったり。毎年のことながら、「やっぱり当たるなぁ」と思ってしまいます。
いただいた言葉を胸に、気を引き締めてまた頑張ろう。
そんな気持ちになりました。



宝物館で思いがけない出会い
まだ少し時間があったので、宝物館にも立ち寄ります。

私がここで楽しみにしているのが「波木井の御影」。
目があう感覚。そして背筋を伸ばさなければと思うような威厳のある雰囲気が伝わってくる人物画なのです。
こちらの宝物館はいつ訪れても比較的ゆっくり鑑賞できることが多く、今回もじっくりと拝見することができました。
今年の展示テーマは、「法華経・日蓮聖人と動物たち 龍女・霊獣の伝承と身延の自然」でした。
展示の中でも特に印象に残ったのが、鵜飼山遠妙寺蔵の「経石」。
日蓮聖人が甲斐国を遊行された際、現在の山梨県笛吹市石和町を訪れたときのお話に関わるものです。
石和川(現在の笛吹川)で鵜飼をしていた男性の亡霊を成仏させるため、法華経二十八品、六万九千三百八十四文字を一文字ずつ石に書き、川底へ沈めて供養したと伝えられています。
そのときに使われたとされる経石が展示されていました。
実物を見ると、思っていたよりかなり大きい。迫力があります。そして、なぜかずっと眺めていたくなるような不思議な魅力がありました。
こういうものに実際に出会えるのも、宝物館へ足を運ぶ楽しみですね。

最後は写経体験
宝物館を出たあとは、写経にも挑戦しました。
宝物館のチケットを購入すると体験できる写経。
いくつか種類が用意されていて、その中から好きなものを選びます。

今回は「信力」に挑戦。
これが思った以上に集中力が必要なんです。
一文字一文字、気持ちを込めて筆を運びます。
普段なら何気なく書いている文字も、写経となると一文字がとても大切に感じられる。
最後まで書き終えると、なんともいえない達成感があります。

完成したものは自宅へ持ち帰り、飾っています。
こうして久遠寺での時間を過ごしているうちに、そろそろタイムアップ。
思親閣から戻ってきた皆さんと合流し、バスへ戻ります。
滝行から始まり、久遠寺でのお参り、おみくじ、宝物館、そして写経。
身体を使って行をし、静かに祈り、学び、筆をとる。
振り返ってみると、今年も盛りだくさんの一日でした。




