キャンプ帰りのちょっと不思議な話

グリーンチャージ
グリーンチャージ

キャンプの帰り道、突然お腹が痛くなりました。

さっきまであんなに気持ちよく自然に浸っていたのに、車に乗った瞬間、現実が容赦なく押し寄せてくる。

「今じゃないでしょ……」

そう思いながら、頭の中で必死にトイレの場所を探しました。

途中、道の駅に立ち寄ることはできたけれど、期待したほど回復せず、なんとも心許ないまま車に戻ったわけです。

あったかペットボトルをたくさん買い込んで。

そんな切羽詰まった状態で走る山道。

ふと、視界の端に動くものが見えました。

鹿だ!

道路の真ん中に立ち、車内の私たちをじっと見てくる。

こちらの焦りなどお構いなしに、静かで、堂々としていて、その瞬間だけ、時間が止まったように感じました。

ブレーキを踏んで車が止まると、鹿はスッと身を翻し、何事もなかったかのように山へ戻っていった。

お腹はまだ痛い。

けれど、さっきよりも少しだけ、我慢できる感じになっていました。

あの鹿の姿が、なぜか強く心に残っています。

……というか。
あれは「大丈夫だよ」って、神様が様子を見に来たのかもしれないなー。

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