名残りのいちごジャム

暮らしと日常と
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きちんと計量して測るようなスイーツはお手上げ状態だけれど、材料も手間も少ないジャム作りは私の平和でささやかな仕事の1つだ。

私はもともと料理が嫌いではない。塩コショウにいつまでたっても自信がないだけで作ること自体は苦ではないのだ。

もともとやれば何とかなる精神を持っているので、とりたてて自炊することもなくお料理修行をしたわけでもなくさっさと結婚してしまった。レシピを見ればなんとかなる、作ってみればいいじゃないかというやっつけ精神なのだが、これが最初は苦労した。

レシピの曖昧な表現やその文章のさらに詳細なことが気になるのに肝心の量が書いていない。

コショウ少々ではなくて、写真に見せてほしい。

原寸大の◯を描いてほしい。

そうしてわからないなりに生まれる私なりの「少々」は日によって違う料理が出来てしまうほとんどの原因だ。

ペペロンチーノをテーブルに出したら無言でケチャップをかけられたなんてこともあった。私はつくづく料理に向いていないのだと思う。

そんななか、ざっくりとした感覚でもいけるジャム作りにチャレンジしたのである。イチゴと砂糖を煮詰めるだけなので鍋から目を離さなければできる。

初めて作ったら思いのほかおいしく、またぜいたくな気分を味わえた。パンやヨーグルト、アイスに混ぜてもいいし、パンケーキに添えてもいい。お高いスイーツ気分を自宅で味わえてしまうのだ。

それからは毎年の仕事になった。

小粒のいちごが安く出回る時期に私は作る。

部屋いっぱいに漂ういちごの香りに包まれながら私は作るのだ。

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