タロットカードの起源
タロットカードはいつ、どこで発祥したのでしょうか。
タロット発祥の時代や場所はいまだに謎のままですが、現存する最古のものは1392年にフランスのカバラ学者ジャクマン・グランゴヌールがフランス・ヴァロワ朝のシャルル6世に送ったものだそうです。56枚のカードといわれていますが、そのカードは残っていません。56枚という枚数からもどちらかといえば遊戯用のトランプに近いものだったのかもしれません。種類や構成も随分違っていたようです。
現存するタロットカード
タロットの起源は15世紀前半のイタリアといわれています。当時ミラノを支配したヴィスコンティ家とスフォルツァ家が画家に描かせたといわれているカードをいくつも残していて、ヴィスコンティ=スフォルツァ版は78枚のうち74枚が伝わり、24枚はのちに復元されています。
こうしたカードは貴族や富豪のために画家が細密画として描いたもので、庶民が入手できるような安価なものではありません。いわゆる美術品のような位置付けのようなものでした。
16世紀に入ると木版画の量販品が出回るようになり、一般の庶民の手にも渡っていくのです。
ライダー・ウェイト版タロットの誕生
現在のタロットカードは大きく「マルセイユ版」と「ウェイト版」の2種類に分かれます。マルセイユ版のタロットが誕生したのが17世紀のフランスでした。この頃には現在のタロットカードとほぼ同じ絵柄が出来上がってきています。
一方、アーサー・エドワード・ウェイト(Arthur Edward Waite,1857-1942,イギリス)の「黄金の夜明け団」の解釈をもとにパメラ・コールマン・スミス(Pamela Colman Smith,1878-1942,イギリス)によって制作されたのが「ウェイト版タロット」(The Rider Waite Tarot Deck;いわゆるライダー版)です。
欧米でも、今や日本でもタロットというとほとんどの人がウェイト版タロットに基づいて解釈しています。数あるタロットのなかでももっともポピュラーでもっともスタンダードなカードです。ウェイト版は日本でも手に入れやすい本格的な輸入カードになります。
書店に行けばいろいろなタロットカードが解説とともに売られていますし、インターネットをのぞけばあらゆるタロットカードが売られています。しかし、ウェイト版以後に作られたタロットカードのほとんどはウェイト版のバリエーションです。ウェイト版を土台にして多少のアレンジを加えて作られているのです。
それはタロットに使われる象徴を深く理解して描かれているのがウェイト版であり、ウェイト版が過去の集大成であると同時に教科書なのです。
タロットカードって何?
タロットカードは22枚の「大アルカナ」と56枚の「小アルカナ」と呼ばれるカードの合計78枚のカードで構成されています。アルカナ(Arcana)とはラテン語で「秘密の教え」という意味。なぜアルカナは秘密の教えという意味なのでしょうか。それは色や構図に秘密があるのです。
タロットカードに描かれているものは、単なるイラストではなく、多数のシンボルを組み合わせて描かれています。これらのシンボルはそれぞれが固有の意味を持っています。これらのシンボルを組み合わせて解読することで正しく読み取ることができます。
大アルカナは抽象的な事柄を表していて、たとえば「運命」というような人生に関わる大きなメッセージを伝えてくれています。小アルカナは大アルカナよりも端的に行動や決断の心理状況を表します。
各カードの天地の出方により「正位置」と「逆位置」という2つの意味を持ち、占う内容や各カードの組み合わせにより意味も変わっていきます。
鑑定結果が出たあとは、一見単純な絵に見えるタロットカードのなかに、こんなにも多くの意味が含まれていたのかと驚かれることでしょう。