前世を知ることに何の意味があるのだろう。
ある人がふと放った言葉です。
前世占いができるスプレッドがあるのですが、みやまは妙にひかれるんですよね。
頻繁には占ってはならないですし、出たカードというのは、今必要な縁の深い人からのメッセージが出るというものです。
未知なる遭遇ではないですが、好奇心がむくむくと動く前世占い。
私はけっこう好きだなーと言っていたときに「正解がわからないのにどうして占いたいのだろう」とも言っていました。
これって、けっこうだいじな意見だなと思います。
前世占いは前世占いで今の自分のさだめのようなものを受け取れると思いますし、それを現世で受け取ってよりよく生きようとしていくものだと思うので、それはそれで迷いを晴らしてくれる占いだと思っています。
たとえば前世が武将の姫君だったとか、裕福な商家のお嬢さんだったとか。
あるいは代々続く巫女の家系とか。
ひょっとするとクレオパトラやらマリーアントワネットやら正規の美女の名前が出てくることもあるかもしれませんね。
そう言われた人はまんざらでもない顔で喜んだりしているかも。
でもね。
「正直に言いますね。あなたの前世は石でした」
なんて言われたらどうでしょう。
とっても悲しい気持ちになりませんか?
それに前世は○○ということを知ったからといって今の自分に本当に必要でしょうか?
前世の記憶がそのままインストールされていれば、今世が少し生きやすいこともあるかもしれませんが、古い情報を今の世の中で必要とする人がいるだろうか、とも思います。
前世を考えることなく今生きている中で懸命に生きるしかないのかなーって。
それがいいのかなと思いますよね。
仏教の世界でお釈迦さまの死を「涅槃」と言います。
悟りを開いて解脱したお釈迦さまは輪廻に組み込まれることがないということ。
輪廻という生まれ変わりをしない、する必要がないのだということ。
もうこれっきりだとも解釈できますね。
生まれ変わりの輪が途切れることを良いとされている世界が仏教。
迷いなく解脱することが良いとしているからです。
もしも今を生きている自分で今世を生きるのが最後だとしたら、やはり前世に思いを馳せることなく今をしっかり生きようと思うのではないでしょうか。