来年の2024年に放送を開始するNHK大河ドラマ「光る君へ」。
世界最古の長編小説といわれる源氏物語を生み出した紫式部を吉高由里子さんが演じます。
みやまとしては、平安時代の十二単や狩衣などの衣装を見るのがとっても楽しみです。
今のうちに源氏物語を復習しておかなかくては!
さて。
その源氏物語の宇治十帖に出てくるヒロイン「浮舟」。
光源氏のあとの主役である薫と匂宮の間に挟まれて苦悩する最後のヒロインです。
当代きっての貴公子たちに愛をささやかれるも浮舟はどちらも選べずに身投げするのですが、その浮舟を救う尊いお坊さんが出てきます。
そのお坊さんは朝廷のお召しにも従わず横川にこもっていたのですが、これは原作者の紫式部がそのころ横川の地で人々の尊敬を集めていた源信をモデルにしたのではないかといわれています。
源信とはどんな人?
源信は高僧でありながら朝廷からの栄誉を拒み、隠れ住んだ比叡山の横川で極楽に生まれ直すための指導書「往生要集」などを書きつづりました。
極楽に生まれるための方法として念仏の正しいありかたを示した理論的な書物で、日本人の他界観に決定的な影響を与えました。
ちなみに、往生要集の内容の6割が地獄の描写なんだとか。
私たちが住む六道は、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天の6つの世界が徹底的に苦の世界、不浄の世界、無常の世界であることが書かれています。とくに地獄の描写はすさまじく、これでもかこれでもかと悪いことをした人間が死後にいくべき地獄のすさまじさを伝えているのです。
源信が44歳のころに書かれたこの本はたちまち写本が作られ、藤原道長も紫式部ものちの鴨長明も西行もこの書物を愛読したとされています。
源信に強い影響を受けた紫式部が姿を変えて源氏物語に登場させたとしてもおかしな話ではありませんね。