群馬県前橋市。
新幹線もとまらないのどかなエリアですが近ごろアートやカルチャーに気軽に触れることができるスポットが続々とオープンしているらしく。
アートな時間を満喫しに出かけてきました♪
川のほとりのアートフェス
群馬県前橋市でいわゆる中心街と呼ばれる場所が両毛線「前橋」駅から歩いて15分ほど北に向かったエリアにあります。
広瀬川と馬場川(ばばっかわ)という2つの川に挟まれた場所を格子状に商店街が並び、現在は再開発が進んでいるスポットです。
そんな前橋の中心街で行われた「River to River 川のほとりのアートフェス2023」(通称:リバリバ2023)に出かけてきましたよ〜。
※今年度会期終了しています
リバリバは今年で3回目。
前橋にゆかりのある個性豊かなアーティストたちが集まり、作品を展示&販売を週末と祝日限定で実施。
今年は5組の作家やアーティストが参加、6会場で開かれました。
さらに、今年開館10周年を迎えるアーツ前橋、春にオープンしたまえばしガレリアをはじめ、同時開催している他団体によるイベントなどあちこちにアート鑑賞スポットが点在。
それらを回遊しながらアート散歩を楽しんできました!
前橋グルメをあつめながら、アート散歩
リバリバは街の歴史や記憶を残す建造物や空き店舗を回収したスペースや喫茶店などの6会場で開催されていました。
馬場川沿いから大きくぐるっと回って広瀬川沿いへ。
おいしいあんぱんやカレーを食べながらクネクネと歩いてアートを楽しみます。
喫茶マルカ:リバリバmap6
馬場川沿いの喫茶マルカからリバリバ鑑賞スタートです。
(順番はお好きな場所からお回りくださいね)
リバリバを鑑賞するにはパスポートが必要です。まずは500円支払ってマップとパスポートをGETしましょう。
マルカで展示されていた平井陽子の金太郎飴。それから他作家の小作品が展示されていました。
気になったのは小上がり席の壁に飾ってあった三宅感の作品。小作品なのに小作品と感じられないほどの圧倒的な迫力に感性が刺激されました!
作品を見たあとはココアをオーダーして体をしっかり温めます🎵
マシュマロ金粉のっけ!
ビジュアル完璧です♡
あったまる〜。マシュマロとかしながら飲むココアってなんだかノスタルジーを感じますよね。
やさしい甘さにほっこりしたあとは次のスポットへ出かけます。
喫茶マルカ
群馬県前橋市千代田町4-1-18
裏ノ間 re/noma maebashi
喫茶マルカを出てから右折&右折すると右手にあるのが今夏オープンしたてのギャラリーリノマです。
前橋在住の芸術家・グラフィックデザイナーのTammの個展「He said She said」の会期中でした。
ツルッツルでピッカピカの質感が好き。
白黒の作品もありますがカラフルな作品に目が奪われます。
こちらはなんと車の廃材で作っているんだとか。廃材でこんなアート作品が生まれるなんてびっくり。
こちらのギャラリーは3階まであるので、1階を見たら一度外に出てから階段で2階と3階を回るのをお忘れなく。
3階でグッズが販売されていたのでお買い上げ。
裏ノ間 re/noma maebashi
群馬県前橋市千代田町4-1-2
大脇僚介 個展 薄杖 a thin stick
map(マップ マエバシ・アート・プラクティス)で個展を開催していたのが大脇僚介。
枠の真ん中のモチーフが気になります。
よく見るとどの作品にも使われていらっしゃるようです。
展示されていた中でも飛行機というタイトルの作品が目にとまりました。
ダークな色調の作品だったのですが、夜の暗闇の中を突き進む前向きさがなんともじんわり心の中に広がってゆく感じ。
希望って暗闇から生まれるのかもしれないと思いました。
map
群馬県前橋市千代田町2−12−7 map前橋”市民”ギャラリー
旧磯部湯 平井陽子:リバリバmap6
国道17号を渡って西に進んだエリアにあるのが旧磯部湯。
この場所で展示を行ったのは前橋出身のアーティスト平井陽子です。
スリッパで上がるとすぐに金色に輝く額が展示されていました。その中を覗くと脱衣所と大きなペインティング作品、さらにその奥の浴場と層の重なりと奥行きが感じます。
浴場は2012年に惜しまれつつ閉業した銭湯をアーツ前橋のプロジェクト「磯部湯活用プロジェクト」で幸田千依が描いた壁画が残っていました。
その壁画も活用しながらの作品もあり、さらにちょっとした仕掛けもあったりして楽しく鑑賞しました。
旧磯部湯
群馬県前橋市千代田町1-4-10
月の鐘 穏やかな味わいが歩き疲れた体にピッタリ
旧磯部湯から中央通りに戻ってランチをいただくことに。
ひときわにぎわっていたのがこちらのお店です。
外から店内が見通せるガラス張りの外観。
レンガがおしゃれなこのお店は2023年9月にオープンしたばかりのカレー専門店「月の鐘」です。
お名前もとってもステキなのですがこの店名、じつは公募だったみたいです。めでたく名付け親になった人は1年間カレーが無料になるのだとか。ユニークなお店ですよね🎵
透明のガラスドアは気負いなく押すことができるので好き。
一歩入るとカレーの魅惑的な香りが漂います。
店内はテーブル席とカウンター席あり。奥の席に案内していただいたのですが、日光が天井窓から入ってなんともゆったりした気分になれます。
コンクリートだと無機質感が出るのですが、あたたかな日差しが入ってやさしい雰囲気に。
注文したのは2種あいがけカレー。極上欧風カレーと贅沢バターチキンカレーにしました。素揚げ野菜やヒレカツなどトッピングもさまざまあり、悩んだ結果何もつけず・・・。夜に利用するならこのトッピングをつまみにお酒を飲むのもいいですね。
カレーが運ばれてきました。
ごはんの左側が贅沢バターチキンカレー、右側が極上欧風カレーです。
スタッフさんによるとマイルドな辛さなので卓上にある辛味オイルで辛さを調整するのをオススメしているようです。
まずは何もつけずに食べてみると説明通りやさしい穏やかな味です。
なんのてらいもなく食べ進むことができる親近感のある味わい。少し食べ進めてからオイルをかけて一段階味が変化したカレーを楽しみます。
付け合わせ野菜もいいアクセントになってくれるのでカレーに混ぜたりそのまま食べたりとせっせと口に運んでいけばあっという間に完食。
ごちそうさまでした!
月の鐘
群馬県前橋市千代田町2-7-20
Maebashi Works ニューホライズン歴史から未来へ
お腹を満たしたら中央通りを北に向かって歩き出します。少し歩くと見えてくるのがマエバシワークスです。
展示やイベント、シェアアトリエなどにも使われている同所では10月14日に開幕したアーツ前橋の開館10周年記念展「ニューホライズン 歴史から未来へ」の作品が展示されています。
Maebashi Works
群馬県前橋市千代田町2-7-17
あんこスイーツは手みやげにも◎
あんこ好きによるあんこ好きのためのあんこ専門店「あんこもん」により道。おはぎやあんバター、エクレあん、のむあんこなど目新しい商品がラインアップされていました。
きまぐれあんバターは日によってパンがイングリッシュマフィンだったりチャパタになるようです。この日のあんバターはチャパタでしたがあいにく売り切れ・・・。
そこであんこパンを購入することに。
コロンとした形がかわいい♡
テイクアウトで購入しておいたあんこパンを帰りの電車の中でいただきました。
ひかえめな甘さがちょうどよかったです!
ya-gins:リバリバmap4
中央通りをさらに北上して信号を越えると弁天通りのya-ginsに到着です。
リバリバ主催のya-ginsではMOMIKOの展示と他参加作家の小品の展示とグッズ展が行われていました。
MOMIKO(主婦)の生活というタイトルの作品群です。
子どもが生まれたことで極端に人間関係が狭くなり、生活パターンも決まっているという文章がありました。しかし、そこから作品を作り、夫のつながりで前橋という場所でアート作品を展示しているという一連の流れが胸に響きます。
人から見たら単調に見える毎日でも、同じような1日に見えるだけで毎日違う日を送っていますし、そこに「気づき」があるかどうかだけだと思うのです。
群馬県出身のアーティスト・カナイサワコ「その景色を私はまだ知らない」の作品群も好き。目の前に立つと冬の幻想のような銀色の世界に自分が入り込んでしまったような気がしました。
ya-gins
群馬県前橋市千代田町3-9-2
広瀬川美術館 糸井潤:リバリバmap3
弁天通りを北上し、広瀬川に出て左に曲がると広瀬川美術館があります。
2017年に群馬県に移住した写真作家・糸井潤の個展。作家さんがいらっしゃってご本人から展示作品の解説を聞くことができました。なんていう僥倖!
セルフポートレートの展示が多かったのですが、自身の身の置き方や取り巻く環境を考えさせられる作品たちでした。
ご自身で製本されたり蝋引きもされていらっしゃるそうで、その表現方法と感性がとってもステキで目を奪われます。
広瀬川美術館のクラシックな雰囲気によって作品世界に深く没頭できたような・・・贅沢なひとときを過ごすことができました🎵
広瀬川美術館
群馬県前橋市千代田町3-3-10
旧安田銀行担保倉庫2階:リバリバmap2
日が傾き始め、だいぶ時間も押し迫ってきました。というのも最終日に訪れたので時間との戦いもありまして。足早に旧安田銀行担保倉庫へ向かいます。
彫刻家・西島雄志の作品展示です。
《気》
この作品、床の下に鏡が敷かれていて、光を拾ったのか空間上部にゆらめきが作られているように見えました。
遠くから見てみると凛とした佇まいながらも主人を待っているかのような健気さと気高さを感じました。
⸜( ´ ꒳ ` )⸝♡︎
旧安田銀行担保倉庫
群馬県前橋市住吉町2-10-2
b(ビー):リバリバmap1
いよいよさいごの会場です。
ベイシア文化ホール(群馬県民会館)にほど近い県民会館通りのフレッセイの向かいにあるのがビーです。
群馬県出身の録音家/アーティストの藤口諒太の展示「養豚農場」です。
農場で働く人の声・豚の声を録音し、メディアとして用いた作品や実際に養豚場で実習した際の日記の公開、そして豚がトラックに載せられる前に歩く道を想起した作品が展示されていました。
階段を上がって豚の気持ちになって歩いてみると何か思うことがあるのではないかと思いましたが、見事に裏切られました。ただ雑念が思い浮かぶばかりの煩悩まみれのみやまがいましたw
録音した音声が会場の奥で流れていたのですが、音声そのものが文字となって映像として流れていました。発言そのものが文字として流れている表現方法が妙に新鮮で、音声が視覚情報として捉えることのできる面白さを感じました。音声の内容はヘビーだったのだけれど・・・。
b(ビー)
群馬県前橋市日よしまち1-1-7-113(カフェべえす左横)
おわりに
多少かけ足気味ではありましたが、11:00〜17:00をフルに使ってリバリバを完走!
まちに溶け込むギャラリーを知る第一歩になりました。
多彩な展示に触れることでより身近にアートを感じることができましたし、マチナカでリバリバのマップを持っている人を見かけるとなんだか親近感も勝手に生まれちゃったりして連帯感もありました。
アーツ前橋の企画展示はまだ会期終了まで時間がありますので、また折を見て前橋に足を運ぼうと思います🎵
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
River to River 川のほとりのアートフェス2023※会期終了
2023年10月21日〜11月12日
11:00〜17:00(土・日曜、祝日のみOPEN)
広瀬川と馬場川流域6会場
パスポート料金500円
URL:https://rivertoriver2023.ya-gins.net
※すべてのアーティスト・作家さんの敬称略です🙇♀️