滝修行の旅2025②のつづきです。
さあ、いよいよ滝へ!
心を整え、深呼吸して向かいます。
この日は午後から大雨の予報も出ていましたが、空はまだ青く澄み渡っていました。

まるで天から「さあ行け」と背中を押されているようで、胸が高鳴ります。
滝修行はただの体験ではなく「修行」。
導師の読経とご祈祷のもと、厳かな空気の中で始まります。
滝から危険なものが落ちてこないよう祈っていただき、大人数での合同祈祷も。
人と祈りのエネルギーが重なり合う瞬間、心の奥に響くものがありました。
滝に入る前にはさまざまなお作法があります。
昨年習った所作も、うっかりすると忘れてしまう私ですが、20年以上の歴史を重ねたお師匠や姉弟子たちは、静かに、流れるようにこなしていきます。
その姿に背筋が伸びました。
そして滝へ──。

夏であっても水は鋭く冷たい。
頭上から打ちつける水圧。
足元をさらう滝つぼの水流。
そして水行着に吹きこむ風。
天地からの力が一度に押し寄せてきます。
それでも不思議なことに、読経を続けているうちに冷たさが消え、むしろ温かさに包まれるような感覚に変わっていきました。
魂が浄められ、光の中に立っているような。
そんな瞬間があるのです。

終わってから、何度も胸の奥からこみ上げてくるのは「もう一度入りたい」という気持ち。
なぜか自然と、来年も必ず参加したいと強く思わされるのです。
滝修行は、体幹の強さも問われます。
水圧に叩かれながら、足元の水流に流されそうになりながらも、自分の芯を保ち続けること。
これはそのまま「人生の姿勢」にも通じるように思えました。

頭上からの水。
足元の流れ。
身を包む風。
自然そのものが、試練であり祝福。
その中で自分の中心を見つけること。
滝はただの水ではなく、魂を照らす光そのものなのだと感じました。
