お札と「気づいてほしい」サインのお話②

開運
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現在では、家庭だけでなく、お店や会社、事業所など、さまざまな場所で神棚や仏様のそばにお札が祀られています。

お札は年が改まるタイミングで新しいものに替え、一年間守っていただいたお札は、感謝を込めて神社やお寺の「古札納め所」に納めるのが一般的です。

ところが――。

以前、私・深山が働いていた職場では、お札は祀られているものの、誰も手を合わせることはありませんでした。

オフィスの隅に置かれたまま、お水もお供えもなく、ただ「そこにあるだけ」。

お正月になると、その日に出勤している人たちで連れ立って神社へ参拝には行くのですが、お札を持参するわけでもなく、新しいお札を迎えるわけでもありません。

参拝だけして戻ってくる。

その光景に、私はずっと疑問を感じていました。

けれども当時の私は外部契約の立場。

疑問を口にすることはできず、心の中にしまったまま、数年が過ぎました。

やがて私自身も、その職場を離れました。

それからしばらくして、風の噂でこんな話を聞いたのです。

オフィスの上階でスプリンクラーが誤作動し、大規模な漏水事故が起きた、と。

復旧は遅れに遅れ、フロア一面にカビが発生。

悪臭が漂い、仕事にも集中できない状態になってしまったそうです。

真冬にもかかわらず、換気のために窓を開け続けなければならず、体調を崩す人も増えたと聞きました。

私はその話を聞いて、ふと思いました。

「もしかして……」

お札の「気づいてほしいモード」、発動していない?

もちろん、あのお札が今もオフィスにあるのかは分かりません。誰かが気づいて、神社へ納めてくれている可能性もあります。

それでも私は、まだあの場所に置かれたままなのではないか、そんな気がしてならないのです。

じつはその職場、少しずつ、少しずつ業績が下がっていました。人が減り、今は少数精鋭でなんとか持ちこたえている状態だそうです。

もしかすると、気づかれないままのお札が、静かにサインを送り続けていたのかもしれません。

残念ながら、

「気づくまでトラブルは終わらない」

そんなこともあるのです。

節目にきちんと区切りをつけ、一年を締めくくり、清々しい気持ちでお正月を迎えること。

それは、日本人が大切にしてきた信仰のかたちでもあります。

一年間守ってくれたお札には、ぜひ感謝の気持ちを込めて、神社へ納めに行ってくださいね。

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